はじめに
マラソンをする上で「準備」はとても大切です。今回はその一つ、「次のマラソンの為の準備」のお話です。
「来週のマラソン、えっと準備するものは?」
「当日の朝は、何を食べようかな」
「去年走ったマラソンはどこで失敗したっけな?」
いざマラソン大会が近づいてきた時にこのような経験はありますか?
わたしもマラソンを始めた頃は、毎回このような気持ちになり何度も頭の中でシミュレーションをしてはいつもソワソワしていました。
仮に、直近に出場した大会の記憶はあっても、前々回、そのもう一つ前はとなると記憶が入り交じったり、思い出せなかったりすることもあるかと思います。
ですが、やはりマラソン本番の1週間前、特に2〜3日前になると精神的にもかなりピリピリとする時期。可能な限り余計な思考をすることは避けたいですよね。
そこでオススメするのが、「マラソンの振り返りシート」の作成です。
かれこれ、8年前から出場した大会の振り返りをしています。
当時(2014年)の振り返りシートがこちら。
振り返りシートの作り方とそのポイント
基本的には、わたしはマラソン後にいつも作成しています。
わたしの場合は、ラップタイムなども載せる表も作成するためPCのエクセルで作成していますが、皆さんが一番やりやすい方法でいいと思います。
最初は手書きでも大丈夫なので一番取り掛かりやすく継続しやすいもので作ってみることをオススメします!
- 当日の実際のラップ
- 良かった区間と反省区間
- 本番(42.195km)の振り返り
- マラソンの練習を開始した時期からの月間走行距離
- どんな練習が良かったのか、また練習の課題
- 本番1週間前の練習メニューとその過ごし方
- 前日夜ごはんと当日朝ごはんのメニュー
- 当日の詳細なタイムスケジュール
- その時、「何を感じて」「どうすべきだった」のか、etc…
です。実際のわたしの振り返りノートも紹介させて頂きます。
振り返りノートのメリット
では、この振り返りシートのメリットは何か?たくさんある中でポイントを3つに絞って解説していきます。
- 柔軟な思考が身に付く
- 効率良く練習ができる
- 将来への財産となる
柔軟な思考が身に付く
「あの大会で自己ベストが出た時、どんな調整だったかな?」
このような考えになるのはごく自然のことだと思います。
わたしもそうでした。そして何度も失敗しました。
わたしの場合は、
- 体に疲労が溜まっており、その日の仕事がハードで精神的にも疲れているのに自分の中の1週間前の調整のルーティンのままこなしてしまい、結局疲労が抜け切れなかった。
- あまりお腹が空いていないのに、いつも白ごはん3杯食べているからと思い、無理矢理3杯食べたら結局、本番もお腹がずっと張ってしまいスピードが出せなかった。
こんな失敗をしていました。
誰しもが、同じように練習・調整したとしても、その時に体が感じる感覚は微妙に変わってきます。もちろん、加齢による変化も含めて。
そのため、練習や調整の方法というのは変化させていく必要があります。
そこで、必要となってくるのがある程度の型です。
それは、これまでみなさん自身がやってこられた練習・調整で構いません。
そして、その練習や調整を振り返りノートに記載します。
「今回のマラソンにあたり、どんな練習・調整したのか、その時、自分が何を考えていたのか、感じていたのか」
こうやって、考える・感じる癖を付けていきます。
すると、次回のマラソンが近づいてきた時に、
「今、体がこんな感じがするけど、去年の今頃はどんな感覚を感じていたのかな?」
「いつもの調整は7kmジョグだけど、今日はきついから思い切って休息!」
こうやって、「今」の自分の体との会話ができるようになります。
でも、これは自分の「型」があって初めてできることなのです。
「自分の中の基本(土台)を作り、応用(変化)させていく」
そのため、ただ単に調整メニューやラップタイプだけを書くだけでなく、その時に何を感じ、考えたのかを書くことがとても大切かなと思っています。
効率良く練習できる
走行距離や練習内容を振り返ることで、次回のマラソンに向けた課題が明確にすることができます。
わたしも普段は会社員の市民ランナー。
わたし含めて市民ランナーの皆さんは家事や育児、そして仕事など他にもたくさんのことを抱えながらマラソンの練習をしているかと思います。
失敗してしまうパターンとしては、
「先月は月間○○km走ったから、今月は○○km目指す!」
この目標設定は悪くはないですが、あまりオススメはしません。
この考え方の問題としては、
- 走行距離が練習の良し悪しの基準となってしまう
- 練習する時間が確保できなかった場合、目標走行距離をクリアしようと予定よりも距離を多めに走る日が増え、疲労がたまる。
- 達成できなかったら、モチベーションが下がる
ざっと挙げただけでも、色々なデメリットが出てきます。
もちろん、しっかりと長い年月をかけて怪我をしない脚づくりをしている方であれば、問題ない方もいるかと思います。
今回の振り返りシートでいう「効率の良い練習」とは、ターニングポイントとなる練習は何だったのか、何をすべきだったのかを振り返ることで、より効率的な練習メニューを立てることができます。
今回のわたしの例でいうと、
良かった点
- 20km走はできた。
- 坂道ダッシュが時短でできて良かった。
- マラソン前にリレーマラソン(3km×3本)、10kmマラソンに参加できて良かった。
- 疲労が強い日はアイシングしたのが良かった。
反省点
- ビルトアップ練習(※)をした方が良かった
- 30km走をすべきだった
(※)徐々にスピードを上げていく練習
こんな感じです。
かなり、明確になりますよね。
良かった点は生かしつつ、反省点をクリアできるように練習をする。
こういう思考になると、「距離」ではなく「効率」が優先となるので、家事や育児や仕事の中でも何を優先して取り組めばいいのかが分かってきます。
マラソンで大切なのは、
「何km走ったのか」ではなく「どんな練習をしたのか」なのです。
将来への財産となる
これは特に『その時、「何を感じて」「どうすべきだった」のかなど」』を書くことで身についていくものだと思います。
「あれ、2,3年前はやたら走行距離を意識して練習していたのだな」
「ここ最近は肩甲骨に意識が向いてくるようになったな」
など、毎回のマラソンを振り返る際に、自身の思考を言語化することで、一つずつ思考が整理され洗練されていきます。
この日誌がいつ役立つかは人それぞれだとは思いますが、自分が書いた日誌を読み返しながら、色んな発見をすることができるようになると思います。
わたしもマラソン前には2014年の日誌から全てのページをパラパラと読み、
「あー、そうそう、この時はこれが失敗していたな」
「この時は、こんなこと考えていたな」
と一人で振り返る時間を作っています。この時間はわたしにとってとても大切な時間ですし、今ではこのノートが「わたしの財産」となっています。
そんなわたしですが、マラソンの振り返りはしていましが、毎日の練習の振り返りはしていませんでした。しかし、大迫傑さんの本を読んで日々の練習の振り返りの重要性を学んだので、2021年10月から毎日、日誌を書くようにしています。
大迫傑さんの「決戦前のランニングノート」のレビューはこちらです。
最後に、わたしのことを少しだけ。
わたしはマラソン歴15年、これまでフルマラソン完走回数は13回、自己ベストは2時間59分43秒(2020)とサブスリーも達成しています。
しかし、まだまだ自分自身も知識・走力ともに未熟である為、これからも自分自身成長する努力をしていきたいと思います。
このブログを通して、少しでも皆さんにとって有益な情報になるよう少しずつマラソンに関する情報も発信していきますので読んで頂けたら幸いです。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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